発想の転換 rethink 2003 7 25

 「金融機関の持ち合い解消による売り」、
「厚生年金基金の代行返上に伴う売り」について、
株式市場では、悪材料として言われている。
 しかし、長い目で見れば、好材料である。
今までは、東証一部の銘柄と言えども、一部のハイテク株は、
浮動株比率が低く、流動性が低かった。
 しかし、持ち合い解消や代行返上に伴う売りによって、
多少は、流動性がよくなったというプラスの面がある。
もちろん、持ち合い解消や代行返上に伴う売りによっても、
それほど、流動性の向上につながらないかもしれない。
しかし、改善はされると思う。
 たとえば、一部のハイテク株は、浮動株比率が7%という銘柄もある。
一概には言えないが、まとまった注文で、値が飛ぶのではないだろうか。
こういう銘柄は、証券会社が、格付けを上げただけで、株価が急上昇するかもしれない。
昔は、この格付け情報が、個人投資家に行き渡らなくて、
個人投資家が、なぜ、株価が急上昇したのか調べてみると、
格付けがアップしていたことが、後から、わかった。
そういう時代もありました。
情報が、機関投資家中心で、個人投資家は蚊帳の外だったのです。
個人投資家不在の市場で、機関投資家中心の市場です。
 持ち合い解消や代行返上に伴う売りによって、流動性がよくなれば、
機関投資家中心の市場から、個人投資家中心の市場になる可能性もあります。
 また、今までの株主は、金融機関や年金ばかりでしたので、
これらは、無言の無名の株主でしたので、
企業は、株主を気にしないという傾向がありました。、
 しかし、今や、株主から、金融機関や年金がいなくなり、
個人投資家の株主が増えれば、
企業も、株主重視の経営に変るかもしれません。
これは、株式市場の構造改革、株主の構造改革かもしれません。
 また、消費者が、消費関連企業の株主になれば、
新しい消費者運動の形ができるかもしれません。
今までは、消費者団体が、企業に、いろいろな注文をつけてきましたが、
これからの時代は、消費者団体兼大株主になるかもしれません。
 逆に言えば、株主は、株主となっている企業の製品を多く買う傾向がありますので、
企業から見れば、株主=固定客、固定消費者と言えるかもしれません。
 ところで、「厚生年金基金の代行返上に伴う売り」というものは、
アメリカでは、あり得るのでしょうか。
アメリカも、日本と同じように、低金利になってきました。
アメリカの企業年金は、低金利でも、
株式市場で、うまく運用すれば、問題ないかもしれない。
日本と同じようなことには、ならないでしょうね。
 日本では、あまりに低金利なので、
年金の運用が困難になった。
その結果、「厚生年金基金の代行返上に伴う売り」となった。
その結果、株安となった。
株安となった結果、さらに年金の運用が困難になった。
低金利の弊害と言えます。
 今、ニュースで、
水稲10年ぶりの生育遅れ 20府県が「やや不良」というニュースが流れていた。
作柄に一番影響を与えるのは、穂が出る前後の7月下旬から8月にかけての天候といわれる。
要注意とのことです。
 このような状況なのに、
政治家は、選挙の準備と勢力争いの余念がない。
しかし、このまま、天候不順が続けば、水稲に悪い影響がでる。
運が悪ければ、米が不作となる可能性がある。
 ともかく、投資家は、天候不順が長引いた場合に、
悪い影響がでる銘柄、いい影響がでる銘柄をリストアップして、
慎重に、投資活動すべきである。